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クラウトロックとはなんなのか?

最近クラウトロックについての書籍を読んだので軽くまとめる。

クラウトロックとは何か。
まず前後の歴史から見ていくと、その重要性が見えてくると思う。

時代は60年代後半から70年代前半にかけて
クラウドロックは
第2次世界大戦で敗北し何もなくなってしまった環境にあったドイツを経験した世代、もしくはその子供の世代が作る音楽である

何もない廃墟の上に新しい街が作られても蘇らない、何処かに置いてきてしまったかつての活気。戦争の惨さを子供に伝えることがあえて避けられた時代。すべての大人がタブーを共有していた時代。

クラウドロックは決して流行歌などではなく、街から外れた深い森の中でひっそりと生まれてきた空気がある。
始まりもなく終わりもなく坂のない平坦な道をただ突き抜ける列車、変わりのない森の景色をずっとみているような感覚から生まれる。

60年代後半といえばアメリカではサイケデリックロックの真っ只中で合法的にLSDが出回った時代。
ガガーリン地球は青かった。宇宙から見れば国境はなく1つである。といって幻想的に盲目的に何処かに存在するかもしれない世界平和が願われた。1番ハッピーな時代だと思う。
無視できないのはやっぱりビートルズで現代音楽とロックを融合したのは大きい。lsdと現代音楽はやっぱり相性がとてもいい。

現代音楽も戦時中の音響実験の恩恵が大きい。
空間をシミュレートするリバーブやディレイ、変なシンセもどきの発信音がなるオシレーターなどモーグシンセサイザーが形をなす前の段階。あらゆるがらくた器機がぐちゃくちゃに繋がれた巨大兵器。いんちきくさい科学者の匂いまでする、もう戦後に用済みとなったゴミから産み出されたと言っても間違ってはないと思う。

多くのミュージックがそれを手にいれて試す。
ビートルズでいえば音の逆再生や街の環境音を取り入れたミュージックコンクレート、音響の巨大機械を用いた変な(当時では宇宙人の映画でよく使われたような)音を駆使してロックの文脈に取り入れた。

もちろんクラウトロックの音楽家もその流れは無視できない。
この狂人じみた音の実験を受け継いでいる。

もうひとつ大切な潮流はフリージャズであり、
音楽的に高みを目指すインテリでもあるジャズだが
音楽的理論を突き詰めたあと見えるのは、結局どの音を使ってもいいっていう極致である
クラシック音楽と同じ道をたどり、ジャズは西洋音楽、コードやスケールの限界に直面する。

そうなってしまえば素人が演奏するのも玄人が演奏するのもぐちゃぐちゃにぐにゃぐにゃになってしまえば同じことで、急激に音楽をつくるハードルを下げたといえる
もちろんlsdとの相性もよく。ぐちゃぐちゃにキマった中でぐちゃくちゃに演奏、セッションするなかで多くの名演も生まれている。
セッションで即興的に音楽をつくるっていう発想自体、ロックにもたらした恩恵は大きい。

クラウトロック後の音楽は何か。
1つは瞑想音楽である。これもインチキ臭いオカルトマニアが好きそうなやつで、みんな大好きタロット占いや第六感、チャクラにまで結びついてしまう。見も蓋もない西洋的科学的根拠と東洋の伝統的な魔術の力で生み出された音楽である側面もある。

この辺りは詳しくはないけど、聞き流す音楽であるアンビエントイージーリスニングニューエイジなんかも時代毎に結びつきがあり、最近のチルってやつもこの辺りの潮流を組んでるらしい。勉強不足だけどまた何かで書きたい。

もっと言うとノイズしかないハッシュ系のインダストリアルとか頭蓋骨を砕く音をサンプリングした邪悪な獄中音楽とかまじで頭おかしい系統の音楽の元祖とも言えなくない。無視はできない。

もうひとつはビート音楽、アフリカンバンバータを起点としたエレクトロやヒップホップへの影響がよく言われるけど、
70年代のディスコ、ファンク、80年代のハウスやテクノ、以降のクラブ音楽はすべての元祖、ロックのビートルズに匹敵するといっても過言ではない影響力のあるクラフトワークっていバンドもすごい。
クラウトロックのバンドが4つ打ちのビートを発明する。これにはパンクのギターの刻むリズムも相互作用的に影響してるとも言えなくない。
拡大解釈したらテクノからエレクロトニカ、もうなんかすごいことになる。(この辺りのクラフトワークymo、テクノ、エイフェックスツイン、フライングロータスまで経由する音楽的な流れもいつか書きたい)

コスミッシュ、この音楽と宇宙の関わりはクラウトロックの中からも結び付く。
90年代あたりから生まれる、クラブミュージックでのコスミッシュはビートが存在するがらクラウトロックにおけるのは瞑想音楽に近い。クラブミュージックにおけるコスミッシュはディスコのゲイカルチャーやパンクの反社会的ファッション、変人狂人が結び付く新時代のコスミッシュなのである。

もうひとつはロックと電子音楽の融合っていうのもでかい。生演奏とコンピューターで演奏される音の融合である。U2のkid Aなんかよりずっとずっと前から達成してる。(というかU2が影響下であると明言してる)シンセポップ、ニューロマンティック、インダストリアルロックの元祖でもある(たぶん。あんまり詳しくないからいえないけど)。クラウトロックの中で、シーケンサーと生演奏が融合したっていう功績が大きい。音楽的実験の賜物である。(これも書きたいのよね。電子楽器とロックがどうかかわってきたのか)

あとなんやかんやオルタナティブロックへの影響がでかい。マイブラソニックユースのノイズをロックに持ち込む音響的実験をうむ親とも言える。

ある程度要素が揃ったのでクラウトロックの核を書いていく。

ひとつはLSDで楽しくなったミュージシャンのセッションから生まれたもの。
拍もなくぐちゃぐちゃなものは、ある意味フリージャズ、フリーロックであり、素人が演奏するパンク的アティチュードであり、サイケデリックロックであり、実験音楽でもある。
その中でも実験性が高いものは崇高な音楽へと変化していき、スピリチュアルでより精神世界の高みを目指す中でもクラウトロック後期には瞑想世界に入ってしまう。
もちろんオカルトで都市伝説やUFO信者、霊的儀式を行う悪魔崇拝者なんかが飛び付いて、その精神的高みは資本主義社会の中で消費されていく。

もうひとつはその音楽的な実験が商業的成功へと導く例。音楽的特徴は難しいがインテリなミュージシャンから産み出されるアフリカンなフレーズやモード的な西洋音楽に縛られないフレーズ、インドや南米の民族音楽的なものがLSDの基で統合され次世代のビートルズといえる新しいロックの形が産み出される。これらのアメリカのオルタナティブロックへの貢献は少なくない。

もうひとつはミニマムの発見。現代音楽にあるミニマムミュージックのロックへの転移。同じことを繰り返すことで生まれるノリ。初期のクラフトワークこそ永遠に続く列車のようなビートである。
クラフトワークはすべて打ち込みでやっていたため、人の匂いを消す、すべての音が均一に平等に演奏されるっていうのもめちゃくちゃでかい発想の転換だと思う。(これは以降の電子音楽、デスクトップ音楽の歴史とも言える)
それがパンクの風にのり、商業用に変化し、曲は短くなり、というなかでノイ!がハンマービート、4つ打ちのリズムを発見する。以降のダンス音楽の影響は書けないから省略する。
しかしミニマムの再発見、この発想の転換はマイルスデイビスのkind of blueやファンクの発明なども同じと言え、これらが同時期になされていることが面白いと思う。(この説明でどれだけの人が分かるか分かんないけど書きなぐっておく)

もうひとつは打ち込んだコンピューターミュージックと生演奏が同時になされるという発明である。
シーケンサーが生演奏に取り入れられたのはクラウトロックからと言える(要確認)。以降の(もう前に書いたが)インダストリアルロック、デジタルハードコア、ニューロマンティックなんかもこれらの後続である。

以上。言葉足らずであるがまとめるのを終わりたい。見えない音楽の線、文脈は己の知識と想像力で補ってほしい。