雑記

マイペースに日記とか読書感想とかかく

2025年3月

3月。小説読む習慣が戻ってきた。

 

・ミュージックディスクガイド 2010-2024 vol1


f:id:sofles:20250404103529j:image

レコード屋さんに通って仕入れていた情報が全て明け透けになっていて正直困惑。オールジャンルの生きた良質な選盤がこんな安価でアクセスできるかと。音楽に関わって生きるモノはマストバイな一冊。vol2も早く発売しろってやつです。

 

・恋愛をめぐる24の省察

f:id:sofles:20250404104054j:image

恋に落ちて別れるまでの機微を言語化する小説。恋に落ちる過程では、心の内をさぐり合うゲームをして、2人だけ理解できるやり取りを重ねる。別れる過程では、互いに溶けていく間になんとなく融和できないところを見つけて、なんとなくタイムリミットがきてしまう。好きなのに試したり攻撃してしまう心理とか、相手から好意を向けられるとゲンナリしてしまう心理とか説明していて、恋愛のバイブルとしても小説としても面白かったです。

 

・ミロの展示
f:id:sofles:20250404104215j:image

ミロの絵画の展示行ってました。上はポストカード。彼はシュルレアリスムの系譜の画家で記号のような不思議な生き物を描きます。現実の生き物か空想の動物か、何かに似ているようで似ていない、はたまた、絵画と記号の間、意味と無意味の間、古代の壁画と近未来のイメージの間を行き来して宙ぶらりんになった気持ちです。キュート。

 

・アノーラ

今年アカデミー賞作品賞をとった映画。こんなf*ck連発してて受賞した作品これまでにあったか…。登場人物がみんな可愛らしくてほのぼのするんですけど、やってる事は車盗んだり店破壊したりしてるんですよね。それも全部物語に必要な要素で笑える上質な映画になってて。ロマンスもギャグもあってフィルム・ノワールみたいな終わり方をする凄い映画です。これ最高です。

 

・ほか読んだ小説


f:id:sofles:20250404110810j:image

ここから下は万人にお勧めというわけではなく。

西瓜糖の日々/リチャード・ブローティガン

西瓜糖でできた世界に住む住人の物語。彼は詩と小説の間のような文を書く作家で、あっちの世界とこっちの世界を行ったり来たりする、(特に翻訳で)村上春樹にも影響を与えたようです。

猫のゆりかご/ヴォネガット

原爆の科学者について取材していた作家が話の流れでボコノン教に入信して長になるとかいうヘンテコ小説です。そして世界は終焉を迎える…

スローターハウス5/ヴォネガット

宇宙人に連れ去られたら4次元的な世界の見方を習得した人の話です。過去と未来の視点を行ったり来たり。でも自然機械論的な世界観で未来を変えることはできないようです。仕掛けは面白い、物語としてはまずまず。

第三の警官/フラン・オブライエン

老人を殺害した主人公が金庫を盗もうとしたときから、すべての価値基準が自転車をベースにするパラレルワールドに迷い込む話です。全員自転車の話しかしないし、自転車に関心がない主人公が変わり者という世界線

スウィムトゥバーズにて/フラン・オブライエン

主人公が小説を書き、その小説の主人公がまたその作者の世界を題材にした小説を書くというかなり入り乱れたメタ小説です。読書カロリーは高め。

カッコーの巣の上で/キージー

精神病院の閉鎖空間と対抗するビートニクなおじさんの話です。これは映画のが名作です。

父死/バーセルミ

読めるけど寓話的にいかれてて意味不明な小説。右目を洗ってリップルの神になる、脚は近くの電柱でこしらえるし、ペニスは身体に巻き付けてある。 ポルノ映画の話とか口と髪を絡め合うティーンエイジャーとかでてくるし、やりたい放題。

ヴィトケンシュタインの愛人/マークソン

世界で一人生き残った女性が美術館を旅しながら独り言をずっと呟いている小説です。覚えている哲学や文学の記憶を思い出すか、目の前の状況しか考えることがない。有象無象に不確かな記憶と知識をいったり来たりしてます

モロイ、マウロンは死ぬ/ベケット

死ぬ間際の男がベットの上で考え事をしている小説です。耳に音は聞こえるけど何かは識別できない。見えるけどかろうじて白い光だけ。ここにくるまで何していたっけ。意識の流れをとらえた作品です。

文体練習/クノー

99通りの文体で同じ話を書いています。自由詩。あべこべ。モダンスタイル。予言。オノマトペ。とか。正直面白くはないけど、、、哲学から言語や口語を研究対象にする構造主義が出てくる時代と同期しているのかな、と感心したり。